第1話【一緒に地獄へ堕ちろ。】
10月3日はよく晴れていた。
私は例の公園へ来た。
早くに来てしまったせいで詩乃は居なかったが、2人分の飲み物を近くの自販機で用意して、どちらにも蠱毒を入れた。
もちろん、詩乃と私でわかるように違うものにした。
もちろん、あいつの飲み物の好みは知っている。
なぜか私が立つレジに来ては少し話す上に、飲み物を必ず買っていくからだ。
詩乃には蠱毒の割合を多くしたが、どうせ自分にもリターンが来る。
呪いはそういうものらしいから、自分の飲み物にも混ぜておいた。
10分ほどで、詩乃が来た。
「ごめ〜ん!待った?」
あいつは、思いっきりおめかしをして化粧もバッチリでやってきた。
同性なのに、綺麗だと思ってしまった。
「今来たとこ。飲み物もあるから、いっしょに飲も。」
詩乃は、なんの疑いもなく受け取り「わぁ〜!ありがとう!」と喜ぶような素振りを見せた。
「あのね、花ちゃんが学校に来なくなってから……今度は私がいじめられちゃったんだ。」
「当然の報いだよね、だから花ちゃんに会えたら謝ろうと思ったんだ。」
私は、詩乃の懺悔を適当に相槌をうちながら聞いていた。
そして、私と詩乃の両方が飲み物を飲み終えた頃のことだ。
ちびちびと飲みながら話していたので、相当時間が経っていた。
「花ちゃん、私ね。花ちゃんとお友達に……ごふっ………!」
そう言いかけた詩乃は血を吐いた。
「ちょ!詩乃?!大丈夫?!救急車!誰か救急車呼んで!!」
公衆の面前だったので周囲の人が救急車を呼んでくれたが、今度は私の胸が痛くなってきた。
内臓から血が出る感覚がなんとなくわかる。
サイレンの音が近くまで聞こえ始めた頃に、視界がぼやけ始め、口からぼたぼたと血が溢れ始めてきた。
救急車を呼んでくれたカップルが、私に駆け寄る。
「あなたも大丈夫なんですか?!血を吐いていますよ!!??」
もう、応える余力もない。
私は、地面に倒れる衝撃と共に意識を失った。
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