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第5話

「……璃子ちゃん?」





 頭から血を流し、うつ伏せに倒れた璃子の姿が目に飛び込んできた。



 あまりのことに駆け寄って助けるべきだと頭では分かっていても、体が動かない。





「璃子が悪いんだ……」





 唇を震わせて優司が生気のない目で倒れている璃子を見ている。



 俺の背筋を冷たいものが走り、優司の手を振り払い璃子に駆け寄った。





「おい、大丈夫か!? しっかりしろ! 優司、救急車は呼んだのか!?」





 璃子を仰向けにして抱え、揺すって声を掛けるがまったく反応がない。頭からの出血は止まっておらず髪の毛に血が流れ、絡みつく。





「もう遅いよ。息してない。死んでる……」





 部屋の入口で死人のように立ったまま見ている優司に怒りを覚え怒鳴る。

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