書籍化への道

曇空 鈍縒

第1話

 0.3%


 これは、カクヨムに投稿されている小説の内、過去に漫画化あるいは書籍化されたことがある作品の割合   ※です。


 星が1000を超えている小説の割合ですら0.6%なので、書籍化されることは、星1000の突破よりもはるかに難しいと言えるでしょう。


 ほとんどの作者(私を含む)にとって、読者からの星評価というのは喉から手が出るほど欲しいものです。


 ですが、おそらく多くの出版社は、私たちが思っているほど読者からの評価を重要視していないと思われます。


 そもそも読者からの評価というのは、宣伝など執筆以外の部分で努力してもある程度は獲得することができるので、必ずしも作品自体の面白さを保証するものにはなりません。


 読者における書き手の割合が多く、読み合いという文化が盛んなカクヨムでは尚更です。


 実際、過去には星100以下で書籍化あるいは漫画化された小説も存在しており、必ずしも星を獲得することがそのまま書籍化に繋がるわけではないことが分かります。


 しかし現状、私たちの小説が書籍化されるためには、科挙みたいなコンテストを突破するしかありません。


 そして大半のコンテストには、読者選考など読者評価の多寡で合否が決まる選考が存在するため、ある程度の評価を集めることも必要です。


 多くの出版社は小説の持ち込みを受け付けておらず、文字数などの関係でどうしてもコンテストの枠組みに入らないなど、よほど特別な事情がない限りは受け取ってくれません。


 たとえ受け取ってくれても、出版社も忙しいですから、それなりに面白くない限りは見向きもされないでしょう。


 編集者が面白い作品に対して直接声をかけることもあるようですが、それをしてもらえるほどの小説を書くのは至難の業です。


 そんな小説が書けるなら、コンテストなんて(どのコンテストでもカテゴリーエラーになるなどの事情がない限りは)余裕で突破できます。


 やはり本気で書籍化を目指すとしたら、まずはコンテストの突破を目指すべきでしょう。


 そこで私は、コンテスト突破の参考にするべく、どのようなジャンルの作品が多く書籍化されているのか調べてみることにしました。


 まず、直近に出版された小説のジャンルを確認します。


 異世界ファンタジー:11

 ラブコメ:4

 現代ファンタジー:1

 SF:1

 ミステリー:1


 結果は上記のようになりました。


 あくまで直近のデータなので、一年分ぐらいの膨大なデータを集計すれば結果は少し違うと思いますが、感覚的にも(もう少し現代ファンタジーの割合が多いとは思いますが)出版量のランキングを付けたら、このような形になると思います。


 コンテスト突破からの書籍化を狙うなら、どんなジャンルを書くにせよ、ある程度のラブコメ要素とファンタジー要素はあった方がいいでしょう。


 私が書籍化作品を見ている限りでは、どのようなジャンルの作品でも大半はラブコメ要素やファンタジー要素が入っているように感じました。


 この場合、単純に異世界ファンタジーやラブコメの小説を書くことでも、書籍化へと一歩前進することができるでしょう。


 個人的には、本屋やウェブサイトなどを使用して、最近書籍化された本を確認してみることもお勧めします。


 多くの出版社は、流行に乗った本を出版しようと日々調査を重ねているでしょうから、最近に出版された書籍を調べることで、最近の動向を掴むこともできます。


 書籍化を目指すならば、得ておいて損はない情報です。


 もうすぐ、国内最大級の新人賞であるカクヨムコンテストが開催されます。


 このコンテストでは百冊を超える小説が書籍化あるいは漫画化され、書籍化を志す書き手たちにとっては大きなチャンスとなります。


 みなさん、大賞目指して頑張ってください。



 ※実際には、シリーズとして何冊か出版された作品がカクヨム内では単一の小説となっていたり、書籍化と漫画化が両方行われた作品も存在しているので、この割合はもっと小さくなると推測できます。



 ◇◇◇◇


 評価を増やす方法については、こちらの作品で詳しく解説しています。

 https://kakuyomu.jp/works/16817330665682898377


 私が過去に書いた創作論・評論の作品はこちらから

 https://kakuyomu.jp/users/sora2021/collections/16817330665691900051

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書籍化への道 曇空 鈍縒 @sora2021

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