第59話

どっかで聞いたような――




 あぁ、レイコだ。レイコも同じようなこと言ってた。二人共、本当によく似てる。



 だとしたら、ナオヤもレイコのこと好きなのかな?

 ナオヤの顔をジッと見ていると「なんだよ」と鼻で笑う。





「今更、俺の魅力に気づいてもお前は圏外だぞ? 俺に変な趣味はない」





 人を馬鹿にしたように笑うナオヤはすっかりいつも通り。





「ナオヤの魅力に気づくことは一生ないと思う」





 ぼそりと私が呟くと「生意気」とナオヤにまた頬を抓られた。



 本当にレイコはナオヤのどこがいいのかな? そう思いながらも、二人が付き合えたらいいなとも思う。



 二人でふざけながら歩く道には警戒している不審者? も現れずホッとした。





「もう喫茶店見えてきたから、ここでいいよ」



「遠慮するなよ。喫茶店の中まで送ってやるから」





 ナオヤは当たり前だと言わんばかりに喫茶店に歩いて行く。ありがたいけど、あの顔はなにか企んでるよね。

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