第41話
「ご馳走様」
「それじゃ、私達は帰るわね。この後モデルしてもらうんでしょ?」
レイコは立ち上がり片目をつぶって私に言うと、ナオヤも置かれたばかりの水を一口含んで席を立つ。
「今日は予定を聞いてないから……そんな急に」
戸惑う私を残し、会計をしにカウンターの方に行ってしまう。私も慌てて立ち上がり後を追う。
「あっ、俺サイフ持ってない」
ナオヤはズボンのポケットを探りながら言った。
「みんなの分は私が払うよ」
レイコが冷たい目でナオヤを睨む。ナオヤは「なんだよ」と片眉をあげる。
「確信犯ね。いいわよ、私がまとめて払うから」
レイコには沢山服を貰ったし、ナオヤは重い荷物を運んでくれた。せめてものお礼をしたいんだけどな。
「レイコ、私が払うから」
もう一度言うとレイコが私の耳にそっと囁く。
「支払いはいいから、後で彼とどうなったか教えてね」
ウィンクして支払いを済ませに行ってしまった。
どうなるも、なにもないよ。これからモデルだって無理だと思うし。
固まったまま支払いをするレイコを見ていると、なにかレイトさんと話している。
また、良からぬ事を言っているのではないかと少しハラハラして見ていると、側にいたナオヤが私の頭に手をのせる。
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