第34話
「そうだ! 忘れてたわ」
その様子を見てレイコが思い出したように、大きな紙袋をアトリエの奥から持って来た。
「昨日、あれからクローゼットの中を整理したのよ。私はもう着ない服だから、昨日の服も一緒に良かったら貰ってもらえる?」
紙袋いっぱいに服が入っていた。私は驚いて目を丸くした。
「どうしよう……いいの?」
素直に受け取るにしては高額すぎる。レイコの服がどれもブランドもので高いのは知ってる。
悩んでいる私にナオヤが横から声をかける。
「いらないって言ってんだから、貰っとけば?」
「量も多いから、気に入ったものだけで構わないんだけど」
私は悩んだ末にありがたく服をもらうことにした。
レイコも良かったと笑顔を見せた。
その後、レイコが紙袋から服を出して私を着せ替え人形にして楽しんだのは言うまでもない。
しばらく服には困らなそう。
ナオヤはうんざりした顔で中二階に上がると、自分の絵に筆を入れ始めた。
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