第50話
「もう、鳴かなくなっちゃたの? もっと聞きたいんだけど……」
喉は嗄れ過呼吸を繰り返す真一にオセが近づき裸の上半身に手を滑らせる。
自分も皮を剥がされるのかと体が恐怖に震えるとオセは人骨人形を愛でるシュトリの方を見る。
「私はあんな趣味ないの。ところで彼女のこと解放して欲しい?」
「たす、助けて……」
最後の望みをかけて答えると、オセはにやりと笑い瑠衣の肋骨をぶち破り心臓を掴む。
「さようなら」
オセの手の中で瑠衣の心臓がトマトのように潰れると、血しぶきが真一の顔にかかり、もう叫べないと思っていた喉から大きな悲鳴が上がった。
満足そうにオセは血だらけの手で自分の頬を抑えて悶える。
「次はどうしようかな……あっ、いいもの見っけ!」
血だらけの手で真一の口を手で塞ぎ悲鳴を止めると、振り返って人骨人形を愛でるシュトリを呼ぶ。
祝福の時間を邪魔されたシュトリは眉間に深い皺を作って振り返る。
「なんだ? もうそれは処分していい」
「そうじゃなくて! ちょっと見てこれ、使えない?」
真一の腹を指差してシュトリを呼ぶと人骨人形を抱いたまま真一のもとにやって来る。
口を押えられた真一は苦しそうに必死で呼吸をして、近くにやってきた瑠衣の胸をつけた人骨人形を凝視した。
明らかに所々、骨を隠す皮膚は幾人かの人間のもの。
「このお腹の皮が良いんじゃないかと思うけど」
「男の肌は堅いから駄目だ」
「筋肉もなくて柔らかそうよ。皮にしちゃえば女の肌と変わらないって」
オセは口を押えていた手を離すと、ためらうことなく肋骨の下あたりから大胆に爪を掛けて一気に真一の腹の肉を剥ぎ取る。
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