第49話
「ゴメン……ごめんなさい真一。ごめんなさい……ごめんなさい……」
シュトリは細く綺麗な指先から獣のような鋭い爪をのばすと瑠衣の胸を綺麗に切り取っていく。
乾いた肌から瑞々しい胸が切られていくと、血が流れ出て時折まだ痛みを感じるのか瑠衣が小さく声を上げた。
鏡越しに見えるその作業に真一は言葉もなく繋いだ手に力を込めるが、瑠衣の脆くなっている指が手の中で崩れると堰を切ったように叫びだす。
「止めろ、止めてくれ! 瑠衣! 瑠衣! やめろぉぉ!!」
片側の乳房が綺麗に剥ぎ取られシュトリの手に収まると、真一の叫び声をうっとり聞いているオセに文句を吐く。
「うるさくて集中できない! オセ、黙らせろ」
「いいじゃない! これが情緒じゃないの? 足の先から痺れるような快感がたまらなくて……ゴロゴロ」
すっかり真一の悲鳴に酔いしれ、喉を鳴らして人の姿をとることも忘れ牙をむき出しにして涎を垂らしている。
文句を言うだけ無駄だと諦めたシュトリは手早く丁寧にもう片方の乳房も切り取り、それを持って少し離れた場所のソファーに向かう。
「さぁ、綺麗になろうね……位置はこの辺りかな?」
人の皮膚が所々に貼られた人骨人形に切り取ったばかりの胸を当てて、位置を確認し張り付けた。
シュトリは人骨人形から少し離れてバランスを再度確認して満足するように頷くと人骨人形の手を取り引き寄せる。
「綺麗だ……また一歩究極の美に近づいたね。白い骨に胸が映える」
ゴロゴロ喉を鳴らして金色に目を輝かせて張り付けたばかりの胸に舌を這わせ顔を上気させていた。
目の前で繰り広げられる異常な光景に真一の精神はもうギリギリの状態だ。
手を握る瑠衣は胸を切り取られ肋骨が露わになり、まだ動いている心臓の音が響く
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