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第47話

部屋にはすでに裸にされ後頭部を鍵爪のフックに貫かれた瑠衣がぶら下げられていた。



 まだ息はありガタガタと全身を震わせ、震える唇で助けを求めている。




「た……助けて。しん……真一」



「フフッ、ほら隣に掛けてあげるから心配しないで」




 オセは引きずっていた真一の首を掴み、ためらいなく鍵爪のフックを後頭部に埋める。



 真一は尋常じゃない悲鳴を上げ鼻血を垂らしヒュウヒュウと呼吸を繰り返す。



 吊るされた二人の前にシュトリが大きな鏡を立たせると、オセを無視して作業を始めようと瑠衣に近づく。




「待ってよ! シュトリが言ってた情緒ってやつを見たいでしょう?」



「俺は無駄なく綺麗に作業をしたいんだ」



「いいから、座って見ていてよ!」




 鏡の横に椅子を持って来て無理やりシュトリを座らせるとオセは真一の前に立つ。



 着ている服を乱雑に脱がせはじめズボンを脱がす途中で手を止めズボンのポケットから光る物を取り出す。




「今日の為にこれを準備したのよね? 誕生日プレゼントだっけ?」




 誕生日プレゼントに瑠衣のために買ったネックレス。



 オセが震える瑠衣の目の前にネックレスをかざすと、瑠衣は驚いたように鏡に映る真一の目を見つめた。




――私の誕生日……自分でさえ忘れてたのに




 ネックレスを瑠衣の首に付けてやると真一の前に戻ってオセは無邪気に話す。




「良かったわね。よく似合ってるわよ。でもね、感じな気持ちは言わないくせに、心無い一言が彼女をこんなふうにしちゃったのよ」




 瑠衣の手首に残っていた黒い革紐をオセが切ると、鏡に生きているが不思議なほどに痩せ細った異様な瑠衣の姿が映る。



 ただでさえ痩せて見えた体の比ではなかった。浅黒く枯れ枝のような手足。骨に皮が付いているだけの体。



 その体にたわわな胸が果実のようにぶら下がっている様は人だと言うにはあまりに異形な姿だった

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