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第38話
「こんにちは」
店内は変わらず一人の客もなく、暖炉だけが燃えている。
小さなステンドグラスの窓から差し込むはずの月明かりさえも店内の影に吸い込まれるように輝きを失い店内は暗く重い雰囲気が漂っていた。
「いらっしゃいませ」
「お疲れ様、太井田さん」
カウンターの奥からシュトリと小瀬が現れ、瑠衣に声をかけた。
瑠衣は小瀬の姿に警戒の色を見せ、威嚇するように睨みつける。
「どうしたの? そんなに怖い顔して」
「小瀬さんはここに何しに来たんですか? 痩せる為にきたんですか?!」
目は血走り今にも小瀬に噛みつきそうな勢いで質問する瑠衣に小瀬は楽しそうに笑う。
「そうよ。太井田さんは私よりずっと痩せて細くなったから……」
「やっぱり! 負けられない……もっと痩せなくちゃ……」
倒れそうな瑠衣をクスクスと笑いながら見ている小瀬をシュトリが睨んで囁く。
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