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第25話

終業時間になり帰り自宅を済ませると、仕事の予定を見直して真一に昨日のメールを返信する。




『なんとか時間がとれそうです 瑠衣』




 会社を出て大きな白い息を吐いて、あの思い出したくない場所に歩き出す。




――結局、別れの準備なんだよね




 痩せて綺麗になっても真一はいなくなる。それでも意味があるのかと何度も自問自答している。




――私って本当に見栄っ張り




 自分にガッカリしながらフラフラと暗い路地を進んで行く。そしてまたDerwezeの前に立っていた。



 白い息を吐き入口の上に座るライトに照らされた男を見上げる。




「綺麗に別れるか見栄なんて張らないでとことん話会うか……お店に決めてもらいましょうか」




 運命をDerwezeにまかせた瑠衣は悩んでいるのか笑っているのか表情の見えない男の下をくぐり階段を上って行く。

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