第21話
「俺は片付けろと言ったんだぞ……まったく汚らわしい」
「いま、片づけるところ!」
オセは不貞腐れたように返事をし、手に持っていた胃袋を自分の口に流し込む。
鉤爪に掛かった男を片手で掴んで取ると、そのまま豪快に暖炉へ投げ込んだ。
暖炉の炎に死体がくべられると喜ぶように炎が燃え上がり臭いすらも逃さぬように一瞬にして骨まで焼きつくしてしまう。
「おい、血がこっちに飛んできてるぞ気を付けろ!」
「うるさいわね……」
シュトリの前のソファーに人骨標本らしきものが腰掛けている。
よく見ると骨にはところどころ皮のようなものが張り付いていて継ぎ接ぎの人骨人形にも見える。
その人骨人形をうっとりとした眼差しで見つめているシュトリの背にオセは舌をだし悪態を吐く。
「神経質な変態……」
オセは血に濡れた手を舌で舐めとり、綺麗になった片手を振ると血液と髪が絡みついた鉤爪が銀色の光を取り戻し、床に染みた血だまりもきれいさっぱり消えてしまう。
片付け終わったオセは後ろのソファーで継ぎ接ぎの人骨人形を横に、お茶をするシュトリを見て首を振りそのまま声を掛けずに暗闇に消えた。
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