日常
第3話
烏のおかげで病気が治り元気になった私は、毎日楽しく学校へ通っている。
はじめのうちはクラスメイトもどこか腫れ物に触る様に接していたが、随分と様子も変わってきた。
「おかしいな。何処にいっちゃったのかな」
仲良くなった子もいれば、新参者をあまり良く思わない子も当然いる訳で――
数分前に机の上にあったはずのジャージがトイレに行った間に消えた。
次の授業は体育で既に皆、更衣室に移動していて教室には誰もいない。
「まさかゴミ箱の中とか……」
一人、首を傾げてブツブツ言いながら捜索中。ゴミ箱を覗いてもやはり無い。
教室を眺め考える。あと隠せそうな場所と言えば――
目の端に掃除用具入れを見つける。
「案外この中だったりして……うわぁ」
発見したジャージの、酷い状態に唖然とする。ご丁寧にも箒の下にジャージが押し込められていた。
箒を退けてジャージを広げると原型はとどめている。
着れるからよしとしよう――掴んで埃を払う。
「ゴホッ、ゴホッ……」
埃を吸い込んでしまい咳き込んでいると、廊下の方から視線を感じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます