第46話
「装飾品ねぇ……油断してると、そのうちそれに鎖が付いて繋がれるんじゃないかい?」
「小陽はそんなことしない! それに、見ろよこれ!」
俺は慌てて足からアクセサリーを嘴で外して右京に、自分で取り外し出来るのを見せて教える。
すると右京が吹き出し、そのまま腹を抱えて転げ回った。
「アハハハハハッ!! まさか、烏天狗になろうって烏が、人間なんかに捕まるわけないよね。必死になって相変わらず可愛いな烏は……あー可笑しい」
またからかわれたことに気付き翼を広げて転げる右京を打つが、人間の罠にかかったのがきっかけで小陽と出会ったのを思い出し冷や汗をかく。
――これは絶対に知られちゃいけない。
笑い転げている右京を見て、烏天狗には早くなりたいが意地が悪く質の悪い右京みたいな烏天狗にはならないと心に誓う。
右京の笑いがおさまり体を起こしたので、またなにかからかって来るのではないかと身構えつつ、今日聞いた知らない言葉について尋ねる。
「なぁ、ストレスってどういう意味だ?」
「ストレス? 昔で言う憑き物ってやつかな。不平不満や気苦労が心の中に溜まったものを言うんだよ」
「それって病なのか?」
「精神的に感じるものだからねぇ。ストレスが溜まっていけば後々、肉体も蝕んでいくだろうから病とも言えるかもしれないねぇ」
小陽の母親はストレスが溜まっているようなことを小陽が言っていたが、それが原因で小陽に意地悪をしてしまうのだろうか。
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