第38話
「そんな秘密みたいなことを私に話しちゃって大丈夫?」
「人に話したって何が出来る? それに小陽が誰か別の奴に話したって信じる奴なんているか?」
小陽はそうだよねと苦笑いしながら俺をしげしげと眺めるが、修行中の烏なんて初めて見たのだろうから普通の反応だろう。
俺はベランダの手摺から見えている机の上に並べられた光る物が気になり小陽に尋ねる。
「机の上に並んでいる、光るものはなんだ?」
「これ? カラスさんがビー玉とおはじきをくれたでしょう? 私もカラスさんになにか贈り物をしたくて……近くにどうぞ」
小陽は椅子を少し引いて机の空いた場所を示して部屋の中に招く。
周りを注意深く確認してから手摺から机の上に飛び移り、小陽の部屋の中もぐるりと確認してから机に並ぶ光るものに目を向けた。
俺に啄かれるとでも思っているのか、小陽はおずおずと椅子を近づけて机に並んだ光るものを指差して説明をする。
「アクセサリーなんだけど、これはブレスレットでこれがイヤリング……」
聞いたことのない言葉に首を傾げて何に使うのだろうかとさらに首を傾げる角度を深めると、その様子に小陽がクスリと笑う。
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