第24話
私だけなら別に何を言われても構わないが、烏だろうがなんだろうが私に会いに来てくれる大切な存在にケチを付けられるのは我慢できない。
名前をすぐに覚えられるくらい頭が良いし、私が倒れたとき慌てたように名前を呼んでいた気がしたので心配しているかも知れない。
「また会いたいな……あのカラスさんに」
病室の窓から空を見上げ黒い姿を探すが、暮れかけた空にはなにも見えず溜息だけが零れた。
こうして病院に入院して普段から動かすことの少ない体でベッドに横たわっていると、このまま本当に体が動かなくなって腐っていくのではないかと考えてしまう。
入院すると病院の独特なにおいと雰囲気に飲まれて、夜もよく眠れないし眠っても大体が悪夢をみて落ち込むのだ。
久しぶりに高ぶっていた気持ちが沈んでいくのが自分でも分かる。
烏との再会を諦めてしまう前になんとか家に戻れることを切に願った。
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