第8話
すっかり目が覚めてしまい椅子の背に掛けてあるカーディガンを羽織り、部屋の窓を開けたまま椅子に座る。
いつ登校できるようになるか分からないが、勉強に遅れが生じないように毎日やっている、自主学習用のテキストを出して机に広げた。
「やることもないし、今日分を片付けちゃおうかな」
あの烏がまたやって来ないだろうかと問題を解いては空を見上げ顔を緩めることを繰り返す。
烏がやって来る確証はないけれど、こんなにワクワクと何かを待ちわびるような気持ちは久しぶりな気がする。
勉強を終えれば毎日時間を持て余すほど退屈で灰色の一日が、今日は全く違う輝かしいものになっている。
キラキラ輝くビー玉とおはじきを手の上で遊ばせながら、どうしたら烏と仲良くなれるか考える。
取り敢えず烏について調べようと部屋の机に置かれたノートパソコンを開いてネット検索する。
「えっと、一夫一妻で知能が高い……」
ゴミを荒らすなどの悪いイメージが真っ先に頭に浮かんでいたが、烏にも誇れるものが沢山ありはじめて知る烏の生活が習性などはとても興味深い。
その中でも興味を引いたのは知能が高く人の顔を覚えるのが得意で人や動物の言葉を真似ること。
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