お礼?
第6話
翌朝コツコツと窓を叩く音に目が覚めてベッドから起き上がり、眠い目をこすり枕元にある時計を見ると朝の四時を表示していた。
――なんだろう?
こんな朝早くに、しかも二階のベランダだ。不審者かもしれないとドキドキとする胸を落ち着かせ耳を澄ませて音を探りながら、逃げる算段を立てる。
不安に布団を握りしめてカーテンの閉まった窓を凝視して耳を澄ます。
――コツコツ。
やはり気のせいではなく固い小石が窓に当たっているような音がするが人影はなくまた分からい恐怖心が芽生える。
――おばけ? もう朝だし。
もしかしたら風でゴミでも飛んできて窓にぶつかっているのかもしれないと、ゆっくりとベッドから出て窓に近付き思い切って勢い良くカーテンを開けた。
『カァァ!!』
「わっ! か、カラス?」
烏も急に開けられたカーテンに驚いたのか翼をばたつかせてベランダの手摺りに留まってこちらを警戒している。
慌てた自分を取り繕うように羽を嘴で整えてから、私を真っ直ぐに見据えたまま逃げるようすはない。
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