第77話
屋上に置かれたベンチに座り、ふと上を見る。
青い空に白い雲。
普通の生活を送っていたら、この空を見上げる事なかっただろう・・・。
「亮太君は洗濯どうしてるんだろう・・・。
お母さんとかがしてくれるのかな?」
少し日差しが強くなり、優衣は日陰へと入った。
ガラス張りの屋上には、テントで日陰になるような場所が作られ、ベンチが置かれている。
そのテントの下に入り、優衣は洗濯機が止まるのを待つ。
太陽の暖かさで、優衣は気付いたら眠ってしまっていた。
「洗濯!」
飛び起き、優衣は洗濯機へ走った。
洗濯機は仕事を終え、もう止まっていた。
腕時計を見ると、11時を少し過ぎていた。
優衣は洗濯物を乾燥機に入れ、扉を閉め、鍵を掛ける。
「後で取りに来よう」
エレベーターで5階に行き、病室に戻る。
「洗濯はできましたか?」
心配で椎名は聞きに来たと言う。
優衣は後で取りに行く事を椎名に話した。
椎名は洗濯が出来たのを確認すると、仕事へと戻る。
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