「ちょっと散歩に行って来ます」

優衣はナースセンターにいる椎名に声を掛けた。

「あっ！優衣ちゃん、優衣ちゃんの都合のいい時でいいんだけど、小原先生が話をしたいって言ってました。

なので、優衣ちゃんが話せる時にまた声を掛けてくれる？」

優衣は少し不安な表情で「分かりました。今からでいいですよ」と答えた。

「でも、散歩に行くんじゃなかったの？いいんだよ、いつでも」

「いいんです。やる事なくて散歩にでも行こうかな？って思っただけだから。

先生、呼んで下さい」

「じゃあ、部屋で待ってて下さい。今、連絡しますから」

優衣は病室に戻り、小原が来るのを不安な気持ちで待つ。

何を言われるのだろう。

悪い話じゃない事を短い時間に祈った。

少ししてから、ドアがノックされた。

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