第39話
神様から与えられた海人との時間。
優衣は午前中に使ってしまうのが勿体無く思い、カウンセリングの時間は午後にしようと決めた。
せっかくの海人との時間を午前中に使ってしまうのが嫌だった。
午後2時。
優衣はナースコールを押し、椎名に海人を呼んで欲しいと頼んだ。
それから約10分後。
「失礼しまーす」
昨日のバッグを持って海人が優衣の病室のドアを開ける。
夢のような光景に、優衣は緊張をグッと抑えた。
自分のいる場所に、自分のためだけに海人が来てくれるだなんて。
海人はバッグの中から優衣日誌を取り出しながら、優衣のベッドの横に椅子を出し座った。
いつもは後ろから見ていた姿が、自分の方を向いている。
やっぱり緊張してしまう。
いつか緊張しなくなる日が来るのだろうか。
優衣はベッドに座り、頬を少し赤くし、海人を見た。
「じゃあ、始めようか」
海人の笑顔に、優衣は頷く事しか出来ない。
海人が時計を確認し、優衣を見た。
これから1時間、優衣だけの海人になる。
海人を独り占めできる。
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