第37話

次の日(木曜日)


優衣はベッドの上でソワソワしていた。


数日前よりも、もっとドキドキする海人との時間が優衣に与えられたのだから、無理もない。


優衣は朝食を食べ終え、薬を飲むとナースセンターへ向かった。


「どうかしましたか?桜さん」

優衣の姿に気付き、椎名が微笑んだ。


「あの、売店に行きたいんですけど…いいですか?」


優衣は財布を持ち、恐る恐る聞く。


椎名は頷き、「はい。基本的にこの病棟は自由ですから、外出と外泊以外は自由に行動してもらって大丈夫ですよ」と答えた。


確かに自由だ。


普通なら決められている消灯時間も自由だし、カウンセリングの時間も自由に指定できるのだから。

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