第18話

点滴が終わり、病室に優衣の担当医となる医師が入って来る。


一緒に来た看護士の手には、カルテや書類が持たれている。


その中に、【同意書】と書かれた用紙があるのも見えた。


何を同意するのだろう…。


同意書から医師に視線を写し、優衣はまた動悸を感じた。


それは無理もない事だった。


「驚かせてしまいましたね。すみません。

実は僕、医者が本業なんです。

まさか、ここでも出会う事になるなんて、僕もビックリしています。」


優衣の前で白衣を着て立っている担当医、それは小原の姿だったのだ。


「お医者さん…だったんですか…。

本当、ビックリです…」


「ご両親に来て頂けないと聞きました…。本当に…1人で大丈夫ですか?」


優衣は少し戸惑いながらも頷き、「大丈夫です。これから先だって、1人でやって行かなきゃならないですし」と答えた。


そして優衣の前に資料と同意書が置かれ、今回の倒れた原因、これからの事が説明された。


説明が終わる頃、優衣は脱け殻状態になってしまっている。

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