第9話

次の日。


優衣はデパートに来ていた。


昨日の夜、萌からメールで【買い物に付き合って欲しい】と頼まれた。


「これ、どうかな?似合ってる?」


萌はいろんな服を体に合わせながら、楽しそうに選んでいる。


萌はいつもパステルカラーの服を選ぶ。


それがどれも似合うから「似合うよ」と優衣はいつも言う。


「ねぇ、バイトの面接って、どう言う服装をすればいいの?」


突然の相談に、服を選んでいた手を止め、「バイトするの?」と萌は優衣の腕を掴んだ。


優衣は軽く頷き、「うん。受かるか分からないけど…してみようかな?って思ってて。明日、面接があるんだけど…」と答えた。


「そっか!優衣もついにバイトかぁ。

やっぱり新しいのがいい?」


萌の問いに、優衣が不思議そうな顔で「どう言う意味?」と聞き返す。


「もし、私ので良かったら前に私が面接した時のスーツを貸そうか?

スーツなら無難でしょ?」


優衣は「ありがとう。借りてもいい?」と笑った。


萌は人生経験においても、いつも優衣の先輩になってくれる。


優衣はそんな萌の存在が大切で大好きだ。

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