第21話

「結希は?」

そんな背中に晴比の声が何日かぶりに届いた。

「えっ?」と結希が慌てて振り向くと、「結希はどうした?」と不安そうな表情と声のまま、晴比が聞いている。


「あっ…私は…しなかった。」

「そう…なんだ。」


そのまま数秒の沈黙の後、「ごめん!」と、どちら共なく謝った。

下げた頭を上げ、「えっ?!」と顔を見合わす。

2人の間に笑顔が戻り、やっと結希と晴比は仲直りする事が出来た。

晴比との仲を取り戻したものの、結希の胸にはまだ大きな“しこり”が残されている。


そしてこの後、結希にとって悪夢のような日々の幕開けとなる日がやって来る…。

この日さえなければ結希は“ただのファン”のまま過ごして行けたのだろうか…。


結希の心を支配しようと、悪魔の手が結希を掴んで放さない。

あの日さえなければ、悲劇の日々さ訪れなかったのに…。

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