*衝撃の告白*
第17話
結希は幸への確かな気持ちに気付き、歩み始めた。
幸はそれからと言うもの、イベントに参加したり、雑誌に載ったり、芸能人としてラジオやバラエティ番組、トーク番組にも、ゲスト出演するようなっていり。
その度に結希は、欠かさずスクラップにしたり、テレビ番組を録画して何度も再生してチェックをし、読んでもらえるか分からないファンレターを出したりしていた。
端から見れば他のファンと一緒かも知れない。
けれど、その中に結希は確かな“恋心”を詰め込んでいる。
ただそれだけを支えに結希は毎日を生きているのだ。
「おはよう。」
「結希!今日の5時だよ!」
教室に入るなり、新聞の切り抜きを手渡して来たのは“幸のファン”として仲良くなったクラスメートの中川晴比(なかがわはるひ)だ。
「何?!」
結希は新聞を取っていない。
その為、こうして情報収集が他より遅れる事も多々ある。
その度に、こうして晴比が教えてくれるのだ。
晴比が見せてくれた切り抜きには、幸の写真とコメント文が大きく載っている。
【屋月幸、デビューから約半年。遂にライブ決定。本日9月7日(金)午後5時、記者会見決定。SSY放送にて中継!】
そう書かれているのを見つめ、『スゴイ…良かったね。』と結希は微笑んだ。
「ありがと。帰りにコンビニで買うから。」
晴比に切り抜きを返し、結希は席に座ると、手帳に黒ペンで¨5時~記者会見¨と幸のスケジュールを書き込んだ。
こうする事で、幸と同じ日々を刻んでいるように感じられるからだ。
下校途中、コンビニで幸の記事が載っている新聞を全て買い、結希は家のテレビの前で幸の記者会見の放送が始まるのを待っていた。
そして、テレビの時刻表示が“17:00”になり、中継先として幸の記者会見の様子が映し出された。
結希のビデオも赤く“REC”のマークが光っている。
この記者会見が全てを狂わす事を知らずに結希は今、画面に映り笑う幸を見つめている…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます