第28話 一緒に遊ぼう!!!()
「それじゃぁ、今日のHRもこれで終わりぃ! みんな気をつけて帰るんだよ~。部活ある子は部活頑張ってねぇ~! それじゃあみんなさよなら~、先生は残業してくるよぉ~!」
中竹先生のふわふわのんびりした声とともにHRが終了、一気に教室がざわめく。
「それじゃあ俺は部活行ってくるぜ! 風邪で休んだ分、取り戻さないとな!」
「おー、行ってらっしゃい! 大会近いんだし、頑張れよ! この夏こそ目指せレギュラー!」
「たりめえよ! 応援よろしくな!」
そう言ってビシッと敬礼しながら意気揚々と部活へと向かう翔太に手を振る。
スポーツもだけど、やっぱり何かに全力な人の背中はカッコいいな、「真衣ちゃ~ん」ってデレデレしなかったらもっとカッコいいな!
という事で俺も今から亜理紗に全力投球、楽しいデートの始まりだ!
放課後までうきうきしてたけど、特にプランは決めてないんだよな、これが!
亜理紗の好きなように、亜理紗の行きたいところを回ろうかと思って……男ならプラン立てろ! って言われるかもしれないけど、でもこれが亜理紗の性格的に一番喜んでくれると俺は思います!
「ふふふっ、翔太頑張ってるね……あれ、日向部活行かないの?」
隣の席で同じようにニコニコ翔太を見送った新がコテンとそう聞いてくる。
「うん、今日は部活休みだって……って言わなかったっけ?」
今から亜理紗とデート……とは言えないからそう言ってごまかす。
まあ一応本当の事だし。部活休みなのはマジだし。
その言葉を聞いた新の顔がパッと輝く。
「そうなんだ……ちなみに僕も今日部活休みなんだ!」
「へー、そうなんだ」
「むー、何そのドライな反応! もうちょっと反応してくれてもいいんじゃない、僕も日向も部活が休みなんだよ!」
「ハハッ、ごめんごめん。遊びに行きたい、って事だろ……でもごめんな、今日は俺すでに先約があるんだ」
「そうそう遊びに……って、そうなんだ。先約って何? 誰かとどっか行くの?」
「ふふっ、ヒミツ」
指を口にやりながらニヤリとそう言って、亜理紗の方を眺める。
こっちに気づいた亜理紗は可愛く嬉しそうにひらひらと手を振って……よーし、亜理紗の準備もばっちり見たいだし、それじゃあ俺たちも……
「あーりさ! 亜理紗、今日暇だよね、バイトないよね亜理紗ちゃん!」
全力で遊びに行くぞ! なんて思っているとぴょーんと亜理紗に抱き着く小さいシルエット、翔太が好きそうな女の子。
「うん、バイトないけど……」
「良かった! それじゃあこのあと私と放課後デートしませんか? 真衣と一緒に遊びませぬか?」
キラキラと目を輝かせた真衣ちゃんはそう言って亜理紗に手を伸ばしてShall we dance? のポーズ。
「あ、えっとその……」
「あれ、もしかして用事あった感じ? すでに先約あった感じかな?」
「いや、その……」
オドオドした感じでそう言いながら俺の方をちらちらと確認してきて……ふふっ、行ってきなよ、亜理紗。ここは真衣ちゃんと遊んできなさい!
確かにデートできなくなるのは悔しいし普通に寂しいけど、最近亜理紗ずっと俺と一緒にいるし。ずっと最近一緒に居て、家でも一緒だし。
友達と一緒にいたいからここに残ったってのも亜理紗言ってたし、だから俺のこと気にせずに遊びに行っておいで!
「……えっと、その……」
それに帰ったら会えるんだし、一緒に住んでるんだから帰ってから夜の時間もずっと一緒に過ごせるんだし。
帰ってから色々遊べばいいから、だから俺との約束は反故にして真衣ちゃんと遊びに行ってきて! 俺の事は気にせず遊びに行ってきなさい!
そう思って行ってきなよ、という感じにひらひら手を振る。
若干戸惑った風に顔をふるふるさせていた亜理紗だけど、すぐに納得した様にうん、と首を縦に振って。
「ううん、大丈夫。約束無いから遊びに行けるよ!」
「よっしゃ、それじゃあ行くぞー! 最近亜理紗と全然遊べてなかったから遊ぶのすっごく楽しみだ! それじゃあレッツゴーだよ、亜理紗ちゃん!」
「うん、レッツゴー! 私も楽しみだよ、真衣ちゃん!」
「もー、そこはドンキでしょ! それかキリシマ!」
「ドンキ? キリシマ? よ、よくわかんないけど、とりあえず遊びに行こう!」
そう楽しそうに手を取り合って、らんらんスキップしながら教室の外にかけていく。
ふふっ、本当に仲いいな、あの二人は……さてと。
約束もなくなったし、それじゃあ俺は隣でちょっといじけている新と一緒に遊びに行きますか! ちょっと可哀そうなくらいいじけてる新と遊ぼう!
「おーい、新? 新さん?」
「つーんだ、日向が僕の事ないがしろに……何、日向? 約束あるんでしょ、行ってきなよ。僕の事なんてほっといて、その約束行ってきなよ、僕の事無視して!」
「なんだよ、それ。無視なんかしてないよ、新の事。そして、その用事はなくなった! 今日の俺はフリーです! という事で……俺と一緒にどこか遊びに行きませんか? 俺と一緒に遊んでくれませんか、新さん?」
「……も~、しょうがないなぁ! そこまで言うなら遊んであげる! 日向と遊んであげるよ、えへへ」
キラキラと目を輝かせた新がそう言って嬉しそうにパチンと手を叩く。
たまには男同士で遊ぶのも楽しいしね!
「えへへ~、久しぶりに日向と遊べる! 楽しみだね、日向!!!」
「うん、そうだな」
だからその……うん、今日は新と楽しみます!!!
★☆★
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普通に風邪ひきました。
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