第3話

(かんご池おぼこ)

かんご池おぼこキツネは籠池下高野街道沿いにある籠池(こもいけ)の狐でクヌギの葉を頭に乗せて着物姿の少女に化けて


菱蔓をカンザシにしたりオシロイバナの口紅をしたり化粧美人の狐だった。



(三ツ池およし)

長尾街道沿いの三ツ池辺りに住む恥ずかしがり屋の狐で美しい娘の姿で現れたと言う。


堺の若者が道明寺の縁日に三ツ池の土手に座っている狐にカンザシを与えデートに誘ってみた。


翌晩、青年との約束通り娘の姿で待っており明け方まで二人は一緒に過ごした。


若者はおよし狐と恋に落ち仕事もせずに遊びまわり毎晩連れ回した。


数ヶ月後の結婚前夜およしは憔悴しきって池の土手の上で狐の姿に戻って死んでしまったと伝えられる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る