第17章

第17話

「ユリア…!?まさか、君…」


「はい。私は、リリィお嬢様を愛しております。…本来、私はメイドの身。この様な事は、あってはならない事なのでしょう…。しかし、心を抑える事は出来ませんでした。」


リリィは、そっとユリアの手を取り、優しく握った。


「それでも…私達は、互いを大切に思っているの。…この家を出る覚悟で、今私達はここに来ました。」


前を見据える強い瞳…。


『愛する人が出来たら、ここまで変わるのか…。』


リリィの父と母は、そう思った。


「…好きな様にしなさい。」


「リリィも、ほんの僅かな時間で随分と変わったわね…。」


リリィは、目を丸くした。


「それって…」


「ユリア、リリィを宜しく頼んだよ…。」


リリィの父と母は、少し寂しげな表情を浮かべていた。

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