第4話
「うるさいわよ」
ハッとして振り向くと、真っ黒なドレスに真っ黒なベリーショートヘアで真っ赤な口紅をさした女の子が煙草を咥えて火をつけるところだった。
煙を吐きだして、ため息交じりに俺を見た彼女は、昔の外国の女優のポートレートみたいに綺麗だった。
「……綺麗だね」
「はぁ?」
「俺にも、タバコ頂戴?」
「いいけど」
彼女から煙草を1本貰うと、ポケットの中からジッポライターで火をつける。
じ、じじ、っと石がないのかオイルがないのか火がなかなかつかないでいると、彼女がパーティーバッグの中からデュポンのライターを出して火をつけてくれた。
「あ。ありがとうございます」
ティリンと心地のいい音が響いて煙草の先に火が付くと、二本の煙が昇っていった。
「いいえ。どういたしまして」
「……」
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