第5話

「ねえ。幕末の志士や、戦国の侍……そんな男の人に身を焦がした女の人は、最後の瞬間どんな空を見たんだろう」




 突然、そんな事を言うような美代は他の友人からは変人だと思われていたかも知れない。




「さぁ……どうかな。でも……真っ青に抜けるような空だったらいいよね」



私がそう答えると、嬉しそうに弾んだ声をあげた。




「でしょ? そう思うでしょ? やっぱり、同じ感覚」




私は微笑み返す。


美代が思う事は嘘みたいにわかった。



だから、美代が言うように本当に魂が半分どこかで繋がっているんじゃないかと思う事があった。



そもそも美代との出会いはいつだったのだろうか?



キッカケは何だったのだろうか?



鮮明に思い出すことが出来ないけれど、いつの間にか一緒にいて、いつの間にか互いに解るようになっていた。



自分を映す鏡の様だと思いながら引き合うように気が付くとそこにいたのが美代だった。

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