第3話

美代は不安定な所があった。


 時々、救いようのない破滅的な発言をしたり破壊衝動に駆られたりした。


私は、そんな美代を見守った。



 初めの頃こそ、美代のそんな行動に戸惑い慌てて一緒になって心を痛めたりしたのだ。


 時には彼女の言動に疲れて、付き合いきれないと思う日もあった。


でも、彼女の弾む声はそれを忘れさせて笑顔にさせる。



だから、私の心配をよそに翌日には何事もなかったように笑う彼女に安堵し苛立った。



「じゃあ離れればいいじゃない」



 頭の奥で、そんな警戒音のような文字が浮かび上がる事もあったが何故かどうしても美代とは離れることができなかったのだ。

 


 お互いに彼が出来ても、それは変わらなかった。

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