第17話
ヒロキはうーんと考えて言った。
「野田寛貴って知ってる?」
「え? ああ、イケメン俳優の……え? 野田……寛貴?」
リカは思わず指を差して口を塞いだ。
「あはは! ここにいるみんな知ってるし」
「えっ!」
「春日さん来る前に、ちょっとした自己紹介したから」
リカは口をパカーンと開けた。
「……いや、もう。びっくりした……ってか似てるなとは思ったけど。まさか本人が」
混乱する様子のリカにヒロキは笑った。
「あはは!」
「……おしゃれだし、美容師さんかアパレル関係かと……でもそういえば洋食店のハルさんが舞台って」
「ああ、ハルさんと蜜さんは見に来てくれたから」
リカは気持ちを落ち着かせようと、はぁっと息をして思い出したように顔をあげる。
「そうだ! カフェオレ!」
「ん?」
「カフェオレ、御馳走様でした」
ヒロキはキョトンとした顔をして笑った。
「いえいえ」
「ブックマーカーもカフェオレも……ありがとうございます」
ヒロキは口角をきゅっとあげた。
「どういたしまして」
リカの胸はキュンとなった。ヒロキもまた、ミーハーに騒ぐでもなく礼儀正しい様子のリカに好感を持っていたのだった。
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