第7話

「……そうだな……16か、そのくらいではないか? すまん、ご婦人の年齢など考えたこともないので目安もたたぬのだが」


彼女は恥ずかしそうに頬を染める。



「来月で18になりますの……18にもなる娘が、嫁にも行かずもらい手もなく医者の真似事をしていると世間様で笑われておりますわ」



サムは俺の耳元で「18で美人で処女だ! ヤバいね、ジェイ、よだれ出ちゃう? そんでもってボクのニアピン賞だ!」と笑った。


「……18か。俺も来月で20になる」


「まあ、お誕生日が来月なんて奇遇ですわね」


「ああ、奇遇だな」


リリーはうれしそうに笑った。


そのリリーと俺を見ながらサムは愉しげに笑うと子供のように足をバタつかせて「奇遇だってさ、どうする? 奇遇じゃなくて奇跡です! 運命です。って言ってやれば?」と言った。



彼女は、はっとしてテレた様に笑うと首を傾げた。



「ええっと……お茶持って参りますわね」


「ああ……頼む」


パタリとドアが閉まるとサムはどすんとベッドに腰掛けて俺の頬に口づけをした。

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