第13話

なんとも不可解で何一つ脈略のない夢を見たものだと起き上がる。


ベッドサイドの時計は、7時を指していてカーテンの隙間から朝日が漏れていつもと変わらない情景が目の前にあった。



 ベッドの上で軽くストレッチをしてカーテンを開けるとリビングへ向かうと、コーヒーのいい香りが鼻孔をくすぐった。


「もう、キヨさんったら……ひどいわ! 来るなら連絡をしてと言ったでしょう?」


 実家に長く務めるお手伝いのキヨさんというお節介なオバさんが、時々母に命じられて様子を見に来たりする。


「ご機嫌伺い? そんなことしたって……お見合いなんて致しません! 何度もそう言ったのに……」



ここしばらく来ないと思って安心していたのだが、あのお見合い写真が届いて激憤して実家に電話をしたものだから、ご機嫌伺にでも寄こしたのだろうと呆れていった。


「キヨさん?」


いつもならば、うるさいぐらいに返ってくる声がなくルリは不思議に思いながらキッチンを覗いて、2度確認をした。



「え」

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