第4話

「でも……どうなさるの? あ。サトルのお友達に恋人役をお願いしてみる? でも、チャラいのしかいないから。あのおばあ様が納得するかどうか」


「うう。最終手段でお願いするわ。とりあえず、今回は出席できないという方向で」


「上手くいくかしら?」


「わからないけど。……もし、おばあ様から聞かれたら素敵な男性だって話を合わせてちょうだい」


「それはいいけど。あ、そうだレンタル彼氏とかあるじゃない。そういう人材事業で今回は済ませるとか」


「レンタル彼氏……虚しいけれど、それも考えなくてはね」


「まぁ私も最善を尽くすわ」


「……ありがとう」


「まあ、ともかく今日は美味しいお料理を食べてイヤな事は忘れましょう」


「そうね」


 有紀とルリは食事に向かった。


有紀の彼氏で許嫁のサトルの実家が経営するレストランだ。


サトルの家は国内や海外にいくつも店を出す外食大手の子息で、有紀とは幼馴染という間柄だった。

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