第34話

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「ゆりの花って、まだ咲いてはいないのじゃないのですか?…花の事は、私も知識不足で分からないんですけれど。」

「まぁ、花型のクッキーとか、優波に作ってもらおうかな。」

「バターは、たっぷり入れちゃ、いけないですよね。」

「あと、レモンライム色ね。」

…と話し込んでいるうちに、小雨になりそうな天気になってきたと、傘立ての用意にとりかかる。

雑貨喫茶店キラシルンの隣は、何かの教室を始めたみたいで、時々、教えるひとの声の気配がする。

先月の始めに、挨拶にいらっしゃった時、クッキーがお気に召したらしく、時々、注文が入る。

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