第19話

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「出来ました。」

青い浴衣姿の観世が、筆ペンを置いた。今日は月曜日。観世の高校は、授業が昼までで、午後からは【七夕リクリエーション】。クラブの活動報告や、学園祭に向けての準備、期末や中間テスト。観世は茶道部と放送部なので、この行事にお茶を全校生徒に振る舞う「七夕茶会」で忙しい。制服をロッカーにつっこんで、浴衣姿で、キラシルンに来て、木村とおちあった。木村は近所の公立高校で、今日は、早引きして(みなのえざら追加作成の為。)、キラシルンの椅子につっぷして寝ている。

「ありがとう。時間があまったから、学校の話とかしてて、木村と。」

観世は、うなづいて冷たいアールグレイを飲みほした。私は、今度は店の看板を雑巾でふきにいった。外はかなり暑い。先ほどから、駅の方に人だかりができていた。恒例の七夕コンサートをやっているのだろう。


「田山さん、来てる?」

からんころん。

ことりが、店に入ってきた。今日は水色のドレスを着ている。下はジーパン。

「あ、はい!」

「今、そこで、高校の人がいたよー。」

「えー、もう行かなきゃ!」

「そう?後は私がいるし、終わったらまた。」

観世は、黒板に「14:00 田山」と書いて、荷物をもって、出て行った。

ことりは、観世のグラスを洗い場に出し、もってきた七夕の笹を、キラシルンの雑貨コーナーにたてかけた。

「今から、近くのスーパーに果物、買いに行きますね。みかんゼリーの。」

「はい、いってらっしゃい。」

私は、スタッフスタンプをことりのカードに押すと、棚に戻した。

キラシルンのみかんゼリーは、120円。

普通のみかんゼリーだが、店内販売をしていて、七夕の日から売り出す。


七夕の日は、キラシルンは休業日。キラシルンの七夕は、次の日から一週間。

私は、ほっと息をついた。

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