第20話

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「お疲れ様~。」

かちん。


ここは、如月高校、茶道部。

観世の高校である。

近代的なガラス張りの図書館に隣接された茶道部の建物(3階から図書館に移動できる廊下がある。)が、クリーム色に塗り替えられている。

一階の茶道部、二階の美術部、三階の演劇部、そして四階はテラスとなっていて、観世達は、そこに集まって、打ち上げの食べ物を囲んでいる。

雨がやんわりと降っていて、テラスの窓に時折、ぴしゃんぴしゃんと雨の音が聞こえる。観世は、青い浴衣の袖を後ろで縛り、椅子に座っている。


「田山さんが、差し入れもってきたよう。おいしそうなんですけど。」

「観世、お疲れ様~~。明日はモーニングコールするね。」

「うう。ありがとう。ちょっと明日は片づけに早くこなきゃならないから・・5時起きだわ。」

「じゃ、駅で待ち合わせしよ。」

観世は、カップアイスをさじで食べながら、優佳(ゆうか)と話している。


相良 優佳(さがら ゆうか)は、制服の上にエプロンをつけて、差し入れされた数々のケーキを、とりわけていた。


「撮るよ~撮るよ~。」

観世の浴衣姿を、写メール。

「明日は、放課後、また来てください。場所は部室ね。」

部長が、口頭で告げた。観世達は、打ち上げの後片付けをし、一階におりた。


腕組みをして、校門の壁にもたれていた木村 美菜は、くしゃみをしていた。

「風邪かな?」

「そりゃ、そうだよ!小雨降ってるし、傘もってないの?」

出てきたありすは、美菜を傘に入れて歩き出した。

「今日は、キラシルンにまた行くんでしょ?」

「うん。ありすも行く?ケーキ美味しいんだよ。」

「行く!ここから、何時間?」

「50分。水越だからね。」

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