第三章 キラシルン紫陽花祭

キラシルン紫陽花祭

第17話

P9

《キラシルン夏便り》13号


皆様如何お過ごしでしょうか。


「みなのえざら」250円→220円へ!

「みなのさら」250円→220円へ!

「キラシルンオリジナルソーサー」300円→250円へ!

「キラシルンチョコレートケーキ」230円→200円へ!

「つめたいアールグレイ」300円→250円へ!

「つめたい紅茶ストレート」250円→200円へ!

キラシルン紫陽花祭り開催中!

26日~7月26日まで!

おいしいケーキやグッズが期間中、値下げへ。


今日の賑わいはあまり無い。

私は、16:00に店を閉めると、夏便りを扉に貼った。

キラシルン紫陽花祭りは、毎年恒例の(といっても、まだ二年しか経っていない。)値下げである。今日は、佐藤さんに頼んでいた、キラシルンカレンダーの見本が、届く。

小さな水色のカード(プラスチック性)で、おあいそを終わったら、客に渡すのである。

去年は、ピンク色で、結構好評だった。


ここ、雑貨喫茶店キラシルンは、駅に近い為、学校帰りや会社帰りの人々が、主に利用する。佐藤さんは、広告代理店の人で、キラシルンが開店当初からの広告展開を、やってもらっている。駅内の改札口に近い広告ブースを買い取って、佐藤さんの勤めている広告代理店が色々な広告を募集するのだけれど、そこに、この夏便りなどの冊子を置いてもらっている。


夏便りの冊子の入った紙袋を手に、私は、遠藤さんに渡しに行った。

「えー。紫陽花祭り、今年もやるんですか?」

「きゃー、私の好きなのが、値下げしてる。・・・絶対、食べに行きますともぅ。」

「・・・また、よろしくお願いします。」

遠藤さんは、紙袋を担いで、早速、準備をしはじめる。

私は、休憩スペースに落ち着き、携帯からの着信に気が付いた。

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