†ラプンツェル†

第22話


長く長い髪の少女が居た・・・


彼女の名前、ラプンツェル。


彼女の歌声は透き通る様に美しく



誰もが彼女の歌声に、酔いしれた・・・



いつの日か、突然彼女は


姿を消してしまった・・・


深い森で、魔女と暮らしていた・・・



そして魔女も彼女をとても愛した・・・



ラプンツェルは、長く長い髪


魔女はいつも『私に歌ってくれないかい??』


そう言い、彼女の長く長い髪を



伝いながら、彼女の暮らす檻に入った・・・



そしていつも、彼女の歌声に


魔女は喜んだ・・・


そして、何時からだろう??



檻から、彼女の歌声が聞こえなくなったのは・・・



心配した、魔女は


彼女に呼びかけた。『もう歌ってくれないのかい?』と・・・


それでも、彼女の声が聞こえない・・・



透き通るあの歌声が聞こえない・・・



心配した魔女は魔法で


彼女の元へ急いだ・・・


そして、彼女の変わり果てた姿を見た・・・



彼女は長く長い髪を、鋏で切り落としていた・・・



そして、眠っているのか


魔女が声をかけても、返事が無い・・・


心配した魔女は



魔法で彼女の状態を見た・・・



彼女は実は、透き通る様な


歌声すらも愛さずに、髪を切り落とし


喉をナイフで刺し



ただ、自由を求め永遠の眠りを欲しがった・・・



魔女は泣いた。何がいけなかったのかと。


彼女に何があったのかと。


彼女の孤独さすら、自分には



助けてあげられなかったのかと・・・



朽ち果てた彼女に


魔女は最期のプレゼントに


絹のドレスに着替えさせ



そのまま、永遠の眠りにつかせた・・・



美しく眠る彼女。


一体彼女に、何があったのか?


分からぬまま、魔女は



絹のドレス姿で、眠りについた彼女を抱きしめ泣いた・・・



何時かまた、彼女と


巡り会いまた、あの透き通る歌声を


聞けます様に・・・



祈りながら、魔女は、永遠に姿が変わらない魔法をかけ去った・・・



もう魔女すらいない


森の奥に永遠に眠るラプンツェル・・・


一体彼女は、何を求めた?



何故、自分から消えてしまったのか?




答えは、いつも歌っていた時に歌声に誘われて来ていた、小鳥達だけが知っている・・・

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