†からっぽの心†

第23話


私は人形。blood rose・・・


いつも、いつも遊んでくれた・・・


可愛い。と頭を撫でたり・・・



髪を結わえてくれたり、優しい子だった・・・



何時からだろう?


私は、いつの間にか、ガラクタになり・・・


ホコリ塗れで置かれている・・・



また、私で遊んでよ?と言っても人形だから聞こない・・・



新しい家族が出来た優しかった子は・・・


自分の子供に、私を譲った・・・


私は喜んだ。また、遊んでもらえる。と・・・



それは、ただの私の期待だった・・・



その子は、私を振り回し笑う。


私は叫ぶ。『痛い。痛い。ヤメテ』・・・


『手が取れてしまう。ヤメテ』・・・



やがて、私を振り回し飽きてしまった子は・・・



私を、壁に投げた・・・


『痛い。ヤメテ。痛い。』


そして、飽きたのか私を放題した・・・



私は泣いても人形。伝えられない・・・



そして新しい子が私を引き取った・・・


右手で、私の手を折った・・・


『痛い。ヤメテ』瞳からは、紅い涙・・・



折った手を楽しそうに遊ぶ新しい子・・・



そして腕を失った私を


まだその子は振り回し遊ぶ・・・


あの優しい子すら、その姿を



笑っています。楽しそうに・・・



やがて飽きたのか、私の頭を


千切りました。『もう、ヤメテ』・・・


そして、楽しそうに離れました・・・



私の名前はblood rose・・・



棄てられた、ガラクタ人形。blood rose・・・


いつか記憶から消える人形。


誰も覚えはしないだろう・・・





『ねぇ?もう髪は結わえてくれないの?ねぇ?もう一度私と遊ぼ?』

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