第5話 先攻1ターン目からプレイヤーへの直接攻撃っ!?これが、異世界のカードゲームか


  【いっぴきの野良犬 重ね1枚 盾1枚】

 【攻撃力330】

 【体力55】


 重ねる事によって、攻撃力と体力が上昇した。

 盾1枚か。

 破壊耐性といった所か。


 【プレイヤー:いっぴきの野良犬の手札3枚】


 「いっぴきの野良犬をもう一枚召喚する」


 俺も、風子が5枚だ。

 この異世界でのカードゲームとは、同じユニットを重ねていくのが基本か。


 【いっぴきの野良犬 重ね2枚 盾2枚】

 【攻撃力360】

 【体力60】


 【プレイヤー:いっぴきの野良犬の手札2枚】


 「いっぴきの野良犬でプレイヤーに攻撃」


 !


 先攻1ターン目からプレイヤーへの直接攻撃っ!?


 これが、異世界のカードゲームか。


 このユニット風子は、手札誘発ではないよな。


 「手札誘発があるかどうかは」

 「システムに尋ねるなりしてみれば」

 「システムが教えてくれる」


 「声に出す必要はない」


 「私への返事も必要ない」


 「返答の内容・有無で手札が推測されるからな」


 「返事しようが、しなかろうが」


 「お前さんの好きにすればいい」


 うるせぇ。


 親切丁寧すぎてうるせぇ、この野良犬。


 システムに尋ねてみるか。


 システムよ、俺の手札に今使用できるカードはあるか。


 【あなたの手札に、今使用できるカードはありません】

 【今、あなたの手札から、攻撃を妨害したり】

 【回復したりできるカードはありません】

 

 【このアナウンスは、相手プレイヤーには聴こえません】


 手札誘発なかったわ。


 「攻撃を通す」


 通す以外にない。


 「システムさんよ」


 「ショタの痛覚ダメージを0にしてくれ」


 !


 「システムよ、痛覚ダメージをいじるな」


 「無理をするな」


 「このカードゲームには覚えがない」


 「闘技は初めてじゃない」


 「俺も、闘技者だ」


 闘技で痛みが生じるのは当然の摂理。


 俺が異世界転生する前の世界で、どんなカードゲームをしてたかまでは

 記憶にない。


 が、痛かった事は覚えている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る