第4話 「いっぴきの野良犬をもう一枚召喚」!いっぴきの野良犬は、自分のフィールドに1枚しか存在できないんじゃないのか


  「ユニット:いっぴきの野良犬を召喚する」


 野良犬の分身が召喚される。


 自身の分身を中心としたデッキスタイルか。


 【ユニット:いっぴきの野良犬】


 【このユニットはあなたのフィールドに1枚しか存在できない】


 【攻撃力 300】

 【体力  50】


 1枚しか存在できない、ね。


 【プレイヤー:いっぴきの野良犬の手札4枚】 



 「いっぴきの野良犬をもう一枚召喚」


 !


 いっぴきの野良犬は、自分のフィールドに1枚しか存在できないんじゃないのか。


 「フィールドに出ているいっぴきの野良犬の下に重ねる」


 「こういう事だ」


 「戸惑っているようだな」

 

 「お前さん、闘技は初めてかい」


 「こんなカードゲームはあまり遊んだ覚えがない」


 「そうかい」


 「この世界じゃ、珍しくもないプレイスタイルだ」


 「お前さんの手札も確認してみるといい」


 俺も、手札を確認してみる。


 押し出し風魔法使い風子。

 攻撃力50

 体力40


  攻撃力50?

 いっぴきの野良犬の6分の1か。

 攻撃力が低い。


 このカードが手札に5枚ある。

 手札のカードは全部このユニットだ。


 風子には、自分のフィールドに1枚しか存在できないとは書かれていない。


 野良犬のように、同じユニットを同じユニットの下に重ねていくカードゲームなのか。


 「どうだ、わかりそうか」


 「ああ、まぁ」


 「ルールが分からないなら、システムに尋ねるなりヘルプを確認しなさい」


 「私に聞いても、教えてやろう」


 「誓いを立てる」

 「私は、この闘技において」

 「ルールについて嘘をつかず」

 「尋ねられたルールを」

 「ショタに教える」


 【いっぴきの野良犬の誓いを承認しました】


 【いっぴきの野良犬が誓いに反すれば】

 【いっぴきの野良犬の敗北になります】


 「これで、私が嘘のルールを教えたら」

 「私の敗北だ」


 「親切丁寧にどうも」

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