4日目 11月24日 イオンショッピング
第68話
夕飯後のティータイムが終わり、俺達は寝室でいつも通りの営みを済ませ眠りに就いた。
そして、翌日。
今日も快眠で目覚ましもなしに起きれた。
のだが、左腕の感覚がないことに気付く。
視線を移すと、露わになる双丘を俺の腕で隠すように抱き着いている緋音がいた。
どうやら、強く抱きしめられて血が止まっているようだ。
俺は、ゆっくり彼女の腕を解く。
じんわりと温かくなる左腕。
俺は、緋音に布団を被せるとベッドから這い出た。
取り敢えず、着替えをしよう。
俺は、自室へと向かう。
結局、この部屋は俺の衣裳部屋になっている。
といっても、大した量の洋服はない。
着替えを買わないとな。
スラックスにワイシャツ。
平日も休日も大差がない格好だ。
腕まくりをして、キッチンへと向かう。
今日は、ホットケーキでも作ろうかな。
蜂蜜たっぷりかけてみよう。
「ホットケーキと言うかパンケーキ…スフレパンケーキもありだな」
「スフレ!」
背後から声が聞こえた。
まあ、声の主は言わずもが愛しの奥さん。
いや、彼女の方が表舞台に立っているから奥さんは可笑しいか。
愛しのお嫁さんか。
愛し…うん、緋音の事は多分、いやきっと愛おしく思っている。
愛情よりも性欲に傾いている俺が可笑しいのだけど、それほどまでに緋音を愛しているという事に他ならない…と思う。
「スフレパンケーキがいいの?」
「うん、作れるの?」
「問題はないかな、緋音も手伝ってよ」
「はーい」
俺達は、2人でキッチンに立ちスフレパンケーキを作ることにした。
スフレパンケーキの一番の肝は何と言ってもメレンゲ。
そして、必要な物は卵、グラニュー糖、薄力粉か強力粉、ベーキングパウダーに牛乳である。
材料は割と少ない。
先ずは、卵を卵黄と卵白に分ける。
「緋音、卵黄に牛乳、薄力粉、それとベーキングパウダーを合わせてよく混ぜてくれる?」
「あ、うん」
俺は、言いながら材料の準備をしていた。
薄力粉は、振るいにかける。
さて、俺の方は卵白にグラニュー糖を混ぜ合わせよう。
ボウルは二重にして、下側のボウルには氷水と塩を入れて上側のボウルをキンキンに冷やそう。
ちなみに、卵白は冷凍庫に入れて冷やす方法もある。が、正直そこまで待つ気はない。
冷やした卵白にグラニュー糖を3回に分けて加えて、固めのメレンゲを作る。
「慎くん、出来たよ」
「ありがとう、あとは生地とメレンゲを合わせてっと」
俺は、緋音の作った生地にメレンゲを混ぜ合わせる。
下からすくって返してを繰り返しながら、少々メレンゲが残る程度まで混ぜた。
フライパンに油を敷き、しっかり熱してから生地をこんもりと載せる。
そして、大匙1/2くらいの水を入れてから蓋をする。
弱熱でじっくりと蒸し焼きにしていく。
偶に、水分の減りを確認しながら傾けたりしつつ焼いていく。
「うーん、甘い匂い」
「もう、緋音。涎」
「えへへ」
緋音の口元がだらしなくなっている。
まあ、甘ったるい匂いが充満してきているから仕方ない。
あ、換気扇回し忘れてる。
俺は、慌てて換気扇を回す。
やがて、蓋を外し生地を裏返す。
そして、再び蒸し焼きにする。
焼いていた焼き面がこんがり焼け目が出来ている。
「ねぇねぇ、慎くん」
「ん?どうしたの?」
「何つけて食べる?」
「蜂蜜とかジャムとかどうかな」
「賛成」
そんなやり取りをしていると水分は蒸発し、生地側面を触れてもヘラに生地が付かなかった。
うん、これで出来上がりだな。
俺は、IHの熱を止めてパンケーキをお皿に盛る。
一応、1人2つずつある。
大きさは、厚み3cmほどある。
直径は…5cmほどだろうか。
綺麗な焼け目が、とても美味しそうだ。
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