第24話
俺は、自室を出てリビングに戻る。
緋音が、パーカーを羽織ってキッチンにいた。
「慎くん…「あれ?」」
俺たちの声が重なる。
俺と緋音が、羽織っているパーカーは色違いの同じ物だった。
ブルーとピンクの違いだけ。
全く同じパーカーである。
「「同じパーカー」」
思う事は、同じだったようだ。
確か、このパーカーは何年か前にクリアランスで購入した気がする。
ユニセックスのお店だったかも。
うーん、記憶が定かじゃないけど。
「えへへ、ペアルックみたいだね」
緋音は、凄く嬉しそうに、そして恥ずかしそうに笑みを浮かべる。
まあ、こんな偶然があるのかと思ってしまうくらいには吃驚だが。
「確かにね」
「これから、これ部屋着にしようかな。慎くんもね」
「ああ、分かったよ」
緋音は、Uberで注文した料理を電子レンジで温めをしている。
五目チャーハンに、レタスチャーハン。
鶏のから揚げ油淋鶏風、ぷりぷりエビのチリソース、豚の角煮、豚肉とキャベツの回鍋肉、具沢山黒酢の酢豚、たっぷり新鮮野菜炒め、四川風麻婆豆腐、五目焼きそば、浜松餃子とダイニングテーブルの上は所狭しと料理が並べられていく。
「さっき、受け取る時に見たけど凄い量だな」
「一通り頼んじゃった」
確かに、五味八珍のデリバリーの一品料理が各種並んでいる。
此処まで見るとラーメンがとても食べたくなってくる。
今度、食べに行こう。
あの醤油スープの味が忘れられない。
もう、俺の血液とも言えるかもしれない。
…まあ、この20年摂取していないからきっと潤滑はされていないだろうけどきっと魂の中には。
「慎くん、そろそろ食べよっか」
時刻は、もうすぐ18時を回ろうとしていた。
夕食にはちょうどいい時間だろう。
俺たちは、ご飯を食べることにした。
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