第21話

それから、30分ほど経った頃。

Uberの配達員がやってきた。

緋音が、そのままの恰好で出ようとするから代わりに俺が受け取りに出た。

すると、配達員にぎょっとされた。

普段は、緋音しか出ていなかったからだろう。

結構無防備すぎるな。

割と狙われていたのかもしれないな。

特に、今日の恰好は拙過ぎる。

…あれ?俺、緋音の事心配し過ぎなのでは?



うんうん、慎くん。

凄く動揺していた。

凄い見てたし。

恥ずかしいけど、頑張った甲斐があったかも。

私は、階下に受け取りに行った彼がいないことをいいことにソファのクッションを抱き締めながら再び悶えていた。

だって、なんだかんだで心配してくれてる慎くんに嬉しくなっていたから。

彼は、変わらない。

昔とおんなじで優しい。

それに、細やかな気遣いができる人だ。

私が、薄着でいることに気付いて受け取りに行ってくれたのだから。

でも、きっと後で怒られそうな気がする。

まあ、それも慎くんの優しさなのかもしれない。



俺は、両手いっぱいの荷物を抱えて緋音の自宅へと戻ってきた。

地味に重い。

ちょっと注文しすぎな気がする。

そして、荷物をキッチンに運ぶ。


「緋音、少しお話があります」

「はい…」


緋音は、肩を落としていた。

まあ、既に怒られる事を理解していたように。


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