第18話
真恵と出会ったのは、29歳の頃だった。
年末。
神田明神へ参拝した足で、向かったバーで絡んできた女性が彼女だった。
その日は、大学時代のサークルメンバーが飲み会だと言って招集した。
OG・OB会だったらしく、バーは貸し切りになっていた。
真恵は、大学の後輩だった。
といっても、在学中には会うことがなかった。
まあ、真恵とは8つ離れていたから。
当時の彼女は、卒業間際だった。
俺自体は、しっぽり飲みたかったし特に話す相手もいなかった。
まあ、呼ばれたから行ったって感じかな。
神田明神にいったのも少し時間が余ったから気紛れに寄っただけだった。
あそこが、縁結びにご利益があるとはその時は知らなかった。
カウンターでカクテルをちびちびを飲んで会場を眺めていたら真恵に絡まれた。
そして、まあ済し崩し的に介抱することになったのが出会い。
彼女は、誰かに依存していないと生きていけない人かな。
介抱した翌日から度々、俺の家を訪ねてくるようになった。
結婚したのも、出来婚だった。
まあ、同時期に別の男の所にもいっていたらしい。
二重生活のような物だったのだろう。
子供が生まれてからは、帰ってこなくなった。
最初の内は、実家に帰っていると思っていたんだけど。
ある日。真恵の両親が訪ねてきた。
その時に、『頻繁に茉子を預けられても困る』と言われた。
そして、不倫をしていたことが発覚した。
その日から、俺の中の何かが壊れたんだと思う。
感情だったりね…。
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