第17話

紅茶とマカロン・スコーンを堪能するが中々緋音を直視できないでいる。

2人きりでいる事を意識すると、エロい事が過ってしまう。

無駄に性欲だけが強くなっている気がする。

横目で、緋音を見る。

視線は、耳…唇…項…胸…太腿と降りていく。

俺は、固唾を飲む。


「慎くん、恥ずかしいよ」


どうやら、俺の視線に気付いていたらしい。


「仕事柄、視線には慣れているけど…好きな人に向けられると…その…恥ずかしい」


緋音は、口元を両手で押さえながら上目遣いで俺の顔を見て来る。

彼女の耳は、 朱に染まっていた。

恥ずかしい…それを体現するように。

俺は、緋音の瞳から視線を外せなくなっていた。

その瞳に魅了されてしまった化の様に。

彼女の瞳を見ていると、胸の奥が少しずつ熱を帯びていく気がした。


「う、確かに恥ずかしいね。ごめん」

「分かればいいよ、それにしても真恵さんだっけ。

どんな人だったの?」

「そうだなぁ…」


俺は、記憶の底に沈めた元嫁 真恵の事を思い出す。

胸が、ずっきんと痛む気がする。

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