第6話
『まもなく浜松です。
お出口は左側です。
東海道線はお乗り換えです。
浜松を出ますと、次は豊橋に停まります』とアナウンスが流れた。
俺も緋音も下車準備に入る。
先ずは、彼女の荷物を下ろしておこう。
「ありがとう、慎くん」
「おう、じゃあ俺も荷物取り行ってくるわ」
「うん、じゃあ改札前で合流ね」
「わかったよ」
俺は、荷物スペースへと向かった。
まあ、そう言っても出入り口のすぐそばだったりする。
緋音は、反対側の出口から出るようだ。
暗証番号を入力して、トランクケースを取り出す。
それと共に、ちょうど出入り口が開いた。
俺は、新幹線を降り改札口を目指す。
少し前を緋音が歩いているのが見える。
まあ、改札までって実はほとんどルートがない。
結局彼女の後ろをストーキングすることになった。
いや、他意はない。
これなら横を歩いたほうが精神衛生的には良かったかもしれない。
そんなことを勘案しているとエスカレーターに乗ることになった。
まあ、緋音の真後ろだった。
「あれ?慎くん…後ろにいたんだね。話しかけてくれたらよかったのに」
そういわれると居た堪れない。
それにしても、緋音は年齢よりもずっと若く見える。
これは、美魔女ってやつなのかな。
大学生ですと言われたら驚きすらしないかもしれない。
まあ、現に最初見たときそれくらいの年齢だと思っていたし。
というか、俺の方が…見た目もおっさんだよな。
辛うじて、白髪も薄毛も禿もない。
うー、加齢臭はどうだろう。
愛用のブルガリ プルオームアクアでごまか…浄化されてたらいいな。
「今日、私直帰だから車乗せてこうか?」
「お、マジで。助かるけど…」
「ふふ、じゃあ慎くんの実家に寄ってからそのまま出かけよっか」
確かに、その方が効率的かもしれない。
清明には、帰ったら話さなきゃな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます